桶職人坂口直人
僕が桶を造る理由木桶はおもろい
大工の僕が桶職人になったのは、2011年の夏に、幼なじみであるヤマロク醤油の山本康夫から「木桶造らへん?」と声がかかったことから。絶滅の危機に瀕している木桶仕込みの調味料を守るには、蔵元以上に絶滅の危機に瀕している木桶を造る職人を育てなあかんと言うのです。あいつの誘いにNoはない。ふたつ返事で「ええよ」と答え、いざ初めるとその「おもろさ」にすっかりはまりました。僕たちの桶造りを、「木桶職人復活プロジェクト(以下「桶プロ」と称す)」と題し、僕はその棟梁を務めています。
桶プロを通じ、たくさん良い出会いやご縁に恵まれました。桶造りの現場に、木桶に関わる食品メーカーや流通業者、大工や料理人そして桶職人などが世界各地から来て、日頃の地位や名誉、年齢、性別、国境の壁も取っ払って一丸となって桶造りに取り組んでいます。現場は熱気に溢れ、大の大人が子どものように楽しんでいます。
技術を共有して木桶と木桶職人を増やすことを目指し、なんでも伝えている僕ですが、逆に僕が学ぶことも多く、僕自身の可能性も広がっています。その一つが小さな桶の製造。桶プロとして造るのは20石ほどの大桶のみなので、他のサイズの桶が欲しい人たちが僕に造って欲しいと強く言うてくれるんです。熱い想にはやっぱりNoはない。今では僕個人の仕事として小さな桶も作るようになりました。
桶造りには答えがありません。永遠に答えが出ないからおもろいし、答えなんてあったらやりません。やればやるほどアイデアが出るので、全ての桶が違う造り方でできています。そして、僕が造った木桶を使う人もまた、答えがない「木桶仕込」を楽しんでいます。この楽しむ気持ちの響き合いが心地いい。
今って、結構簡単に答えが手に入ったり、いろんなものが誰でも簡単にできるようになってきています。長年大工をやっていますが、かんなを使う機会なんて滅多にないんですよ。器用な人ならプラモデルを作る感覚で家を建てられると思います。今は創造する機会や「技」が減っているからこそ、「手仕事」「職人技」を極める側の心にも、そして使う側の心にも響くのだと思います。
- 楽しんでいるそう。それが嬉しい。
ご要望に沿って造ります僕の桶の例
20石までならどの大きさでも造り、用途や桶材の指定にもお応えします。
材木の指定がなければ吉野杉を使用。目安として、代表的な桶をご紹介します。
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大きさ:約高さ35cm×直径35cm
容 量:約18L
材 木:吉野杉(接地面に節なし) -
大きさ:約高さ45cm×直径45cm
容 量:約36L
材 木:吉野杉(接地面に節なし) -
大きさ:約高さ55cm×直径55cm
容 量:約72L
材 木:吉野杉(接地面に節なし) -
大きさ:約高さ197cm×直径185cm
容 量:約3600L
材 木:吉野杉(接地面に節なし)※サイズ目安は、日本人の成人男性平均に基づく。
今、桶を活用してくれています。桶の使い手の声
ご要望に沿って僕が造った桶を、実際に使ってくれている、
造り手のみなさまの想いや、使った感想をご紹介します。「ビール」の仕込容器として使う
「まめまめびーる」の声
「桶プロを見学した時に木桶に惹かれ、木桶でのビール作りを決心しました。僕のビール造りのスタンスに耳を傾け、醸造所を見て、約100Lのサイズが最良では? とご提案をくださるなど、親身になってくれました」
「ザワークラウト」の熟成容器に使う
「Hennery Farm」の声
「春キャベツの甘みと、上品な木桶の杉の香り、乳酸発酵の酸味が、見事なハーモニーを生み出しました。漏れることなく仕込めており、使い込んでいいく度に木桶が育っていくのを感じています。これからが楽しみです」
商品情報「かつおの塩辛」の仕込容器に使う
酒盗屋「豊由湖(とよしこ)」の声
「東京の有名こだわりバイヤーさんから提案いただいて、かつおの塩辛を木桶で仕込んでみると、これまでの容器よりもかつおの塩辛が良い状態で保管でき、加工しても製品がきれいなままで気に入っています」
商品情報桶の材料は杉と竹のみ。
桶材の指定がない場合は
最高級の材を使います桶の材料になる
杉と竹
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杉(底板と側板)
底板と側板の材に指定がない場合、最高級の杉材「吉野杉」を使います。
吉野の林は日本最古の人工造林。江戸時代の中期に町人文化が熟成され、関西の酒造業の発達するのに合わせて、桶材用の杉の木の生産を盛んに行うようになりました。醸造に向くよう、吉野では密植多間伐を行ってゆっくり育て、年輪幅を細かく、かつ年輪幅をほぼ一定にしています。さらに若木のうちに枝打ちなどの丁寧な手入れを行うことで節を減らしています。つまり、漏れにくく、火落ち菌も繁殖しにくい材になります。
さらに加工する僕にとっても、粘りがあってカンナの刃もスルリと通り、理想な削りができるので、漏れにくい桶に仕上げやすくなります。
竹(箍と竹釘)
箍と竹釘の材の指定がない場合、桶用の竹として生育されていた、小豆島の「真竹」を使います。
小豆島の竹を使う利点は、加工のしやすさと運送コストの削減。竹は山で割って細くし、巻いて運送します。その際、運送時間が長いと、到着した時には癖がついて竹が少し丸まってしまい、その後の加工がしにくくなりますので、近所の山の竹を使います。
そして、「真竹」を使う利点も、加工のしやすさ。節間が長く、材質部はほどよく薄く、弾力性があるなど優れているので、古来桶材に限らず、建築や竹細工に利用されています。
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